暇のための暇なし

やる気の波が激しめな地方の20代共働き女性。いろいろなことを広く浅く。本の感想にはネタバレが含まれていますのでご注意ください!

奥田英朗「我が家の問題」

いろんな家庭内(主に夫婦)の出来事を綴ったオムニバス。


特に「妻とマラソン」が良かった。

タイトルそのまま、専業主婦の妻がマラソンにはまる話なんだけど、そんな妻に対する主人公の夫の視線が暖かくてほっこりした。

しかも、妻は過去ロハスにはまって夫を巻き込んだり夫が稼いだうん千万を投資で溶かしたりしているのに、夫はなおも妻を気遣って感極まったりしていて、愛情の深さを感じる。

主人公は作家という設定で、内容を読んでいると作者の奥田英朗と被るところがある(直木賞を受賞しているところとか)。作者の実体験に近いところで書かれているんじゃないかと想像してしまって、そんな想像をするとますますほっこりする。


たしかに我が家の「問題」がテーマなんだけど、最後はどの話もトゥルーエンドとハッピーエンドの中間くらいの終わり方で、読後感の良い本でした。


最近は、森見登美彦奥田英朗恩田陸の小説ばっかり読んでいる。

火花もいまいちはまらなかったし。純文学系は悲しい気持ちになっちゃうから大衆小説のほうがいいな。

というわけで、おすすめの作家さんがいたら教えてください。